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最新情報

(財)日本学会事務センターの破産宣告について


日本環境感染学会
理事長 木村 哲

 8月17日午後3時から関係学会に対する標記説明会がありましたので、その概要をご報告致します(環境感染学会からは新井晴代総務担当理事と私が出席致しました。各学会から1名とのことでしたので、私は別の学会の代表としての出席です)。関係する270学会ほぼ全員の出席があったと思われます。

  1. 8月17日(説明会当日)午前9時、東京高裁から学会事務センターに破産宣告がなされた。これに伴い、8月9日以来、保全管理人であった竹村葉子氏が破産管財人に任命された。
  2. まだ確認は終了していないが、負債総額は約30億円である。この内、担保権付債権者に4億8千万円、リース債権者に2億5千万円、労働債権者に3億3千万円、一般債権者(各学会などを含む)19億3千万円などである。
  3. 現在、学会事務センターの残金は1億円程度であり、30億円の負債は賄えない。
  4. 債権には順位があり、一般債権者は下位なので、破産配当の見込みはない。
  5. 但し、各学会名義の預貯金、会員管理データは保全されているので確認手続きをとりながら通帳、印鑑などを各学会に返却する(8月20日に各学会の代表宛に手続きの説明文を送り、9月6日〜8日の間に返却する。原則として代表者に取りに来て欲しい)。
  6. 会計書類も類似の方法で9月27日、28日両日に返却する。
  7. 庶務資料、雑誌のバックナンバーは未だ整理がついていないが、できるだけ早く返却するので取りに来て欲しい。
  8. 8月6日以降に振り込まれた学会費は保全されている(各学会に返却する)。
  9. 各種調査結果については、11月29日、午後3時から東京地裁による債権者会議において説明する。
  10. 今後の学会事務機能の受け皿として、事務局機能、大会・認定試験実施機能、出版機能及び旧職員を引き継いでくれる会社を探している(負債は引き継がない)。現在5社から問い合わせがあり、その内4社と接触中である(8月末を努力目標として交渉が進められている。管財人の了承と、裁判所の判断によって決定されるとの補足説明があった)。
以上のような事務的説明の後、学会事務センター木田会長(光岡理事長は病気欠席)および寺尾専務理事から経緯の説明とお詫びがありました。経緯説明の内容は大略、次の通りです。
  1. 最近になって大きな欠損のあることが判った。多額の学会資金流用は事実(欠損が生じた理由については、運営にお金がかかったとの説明のみ。管財人からの補足説明では、10年以上さかのぼって調査しないと判らないし、その資料も余り揃っていないとのこと)。
  2. 文科省に相談に行ったが、一財団のみを優遇することはできない。各学会の理解を得て再建をと断られた。
  3. 民間企業と融資の話が一時進んだが、駄目になった。
  4. 各学会の預金への繰り入れや、学会運営への支払い、債権者への支払いが増加し、また学会員からの会費の納入が減るなどの条件が重なり、且つ、取引業者からの物品の納入も止まってしまい、やり繰りがつかなくなった。7月26日以降、通常支払いができなくなり、一部支払いを停止した。
  5. そのため8月6日に民事再生手続開始を申し立てたが、8月9日、東京地裁に却下され、8月17日の破産宣告となった。

 このような説明などの後(或いはその中間で)、質疑応答がありました。
 学会側からの主張の中心は、「学会事務センターが各学会の会費などを事務センター名義の口座にプールしていたとは言え、各学会に納入されたお金は各学会に帰属するはずである。学会事務センターのお金とするのは契約違反である。横領であり刑事責任を負うべきである。振込状況を確認すれば、金額も確認できる筈である。センター名義のどんぶり金を調査して整理返還を」と言う点でしたが、管財人からの説明は、学会費と売掛金など色々なお金が混在しているので特定できない。保全命令を受けた段階では学会事務センターのお金となっており、その前提で処理するのが自分の仕事であるとの割り切り方でした。
 「責任者が田畑を売ってでも弁済すべきである」との訴えも出ましたが、裁判所の判断を待って頂きたいとの返答。
 理事や管財人の説明に憤りの質問や追求など色々やり取りはありましたが、債権者学会のネットワークを作り、連携しようとの動きになりました。いずれ合同で、訴訟に持ち込むこともあり得ると思います。

以上

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