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日本性感染症学会より「梅毒の流行に関する注意喚起について」のお知らせ

Last Update:2016年4月18日

一般社団法人日本性感染症学会 理事長 荒川倉一
梅毒委員会委員長  石地尚興
教育啓発委員会委員長  白井千香


 近年, 本邦において梅毒患者報告数の急激な増加がみられています.  2014年の報告数は1661名(早期顕症梅毒 957,晩期顕症梅毒 81,無症候性梅毒 613,先天梅毒 10)(http://www.nih.go.jp/niid/ja/survei/2085-idwr/ydata/5673-report-ja2014-30.html) と2010年の 621名と比べ 3 倍近くに,2012年の 875名と比べると1.9 倍となっています.  2015年報告数は 2692 名[暫定値] (早期 顕症梅毒 1756,晩期顕症梅毒 91,無症候性梅毒 832,先天梅毒 13) と 2014年と比べ 1.6 倍とやはり急増を続けております. 別添として,国立感染症研究所の最新グラフデータをお示しします.厚生労働省のサイトでは梅毒に関する Q&A というページを立ち上げ注意喚起を促していますが、各種医療機関での適切な診断と治療が最も重要と考えられます.
性・年代別には、2010年から13年は男性患者の増加が顕著で,特定のコミ ュニティにおける MSM (men who have  sex with  men) 間での伝播が主な原因とされてきましたが,2014 年には男性の異性間感染の増加に伴い、若年女性の報告数が明らかに増加し、2015年には2010年と比べ約 5 倍と激増しています.
(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/dl/leaf03.pdf)
先天梅毒の症例も近年みられるようになってきました. 女性罹患の増加に伴う先天梅毒の増加傾向は近年米国において報告されています. 今後も先天梅毒 を含む梅毒全体の増加が続く恐れがあり,早い段階での対応が必要です. 
梅毒の症状は多彩であり,病期によって異なることか ら、患者はいろいろな主訴でいろいろな診療科を受診する可能性があります. また,血清反応で感染 が見つかる無症候性梅毒も増加しています. 各病期で適切な診断により早期治療を施し完治させることが重要であり 、そのことが感染拡大を食い止めることに繋がります。
是非,貴学会におかれましても,会員の先生方に梅毒の早期発見、早期診断について、注意喚起をお願いいたしたく存じます.

 梅毒の人口10万当たり報告数の推移(250KB)

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